【2013.4月号】

すきっちゃ やまぐち!今月の顔

山口日産自動車株式会社
代表取締役社長 末冨 喜昭 氏 
山口商工会議所 常議員・3号議員

山口市大内御堀1220−1
TEL/083−922−2200
http://www.yamaguchi-nissan.jp/

山口日産自動車株式会社

すえとみ よしあき
1948年(昭和23年)生まれ。山口県出身。山口大学経済学部を卒業後、1971年(昭和46年)日産自動車株式会社へ入社。1978年(昭和53年)山口日産自動車株式会社へ入社。1980年同社取締役業務部長、1985年常務取締役電算室長などを経て、1987年(昭和62年)に代表取締役社長に就任、カルロスゴーンCEOとの政策懇談メンバーを始め各種自動車業界活動、教育関係活動に携わって現在に至る。趣味は、カメラを持ってのグローバルなタウンウォッチング。トレンドウオッチング

《 一番古くて、一番新しいディーラーであり続ける 》

会社のあゆみ、経営方針をお聞かせください。
 当社は、山口市の市政スタートと同じ、1929年(昭和4年)にフォード自動車を販売する山口自動車商会として、現在の山口駅前で創業しました。販売会社ながら、自動車製造に関わる鋳物・幌・鉄板・木工部を持ち、車の組み立てまで行う、いわば当時のベンチャー企業でした。その後は、木炭車の製造販売や航空機関連機器の製造販売なども手がけまして、終戦翌年の1946年(昭和21)年に、山口日産自動車販売株式会社として、日産自動車の販売を開始しました。近年では、ポルシェ・ルノー・アウディー・スズキと扱いブランドを増やしています。

  私自身は、環境変化への対応こそが企業存続・発展に不可欠と考え、環境変化のウォッチを続け、会社の節目節目に目標を定め、企業の進化にチャレンジを続けてきました。39歳で社長に就任して2年後の1989年(平成元年)に創立60周年を迎えるのを機に、新たな経営戦略を立てましたが、それが大きな転機となりました。

  まず、販売マーケティング・CS経営に着目しました。その当時のディーラーの手法といえば、各お宅を訪ねる訪問販売が主流でしたが、業界で先駆け、来店型の販売へと仕組みを変えたのです。そうは言いましても、何もせずにお客様にご来店いただけるわけではありません。そこで、お客様に行ってみたいと思って頂ける、楽しいお店、行けば何かメリットのあるお店、様々なイベントがある等、工夫を凝らしお客さまにとっても社員にとつても魅力あるディラー創りに取り組んできました。

山口日産自動車株式会社

  また、2009年(平成21年)に80周年を迎えるという節目の年に向けては、人口減社会のなかで、効率的な店舗運営を推進するため、2006年から店舗の統合・リニューアル、さらに直営メーカーの買収などを手がけ、併せてネットワーク改革プロジェクトを立案し、実施してきました。それがほぼ完了した時にリーマンショックが起こりました。日本、世界中が打撃を受ける中、先を見据えた体制を整えていたおかげで、効率的な経営を推進することができ、80周年を迎えた2009年には、当社の過去最高益を上げるに至りました。 

現在、本社の広大な敷地を開発・整備されておられますが。
 更なる100周年を見据え、来年85周年を迎えるのを機会に、本社の敷地約1万8000平方メートルの再開発を行っております。昨年夏、日産部品山口販売(株)の、小鯖にある流通センターへの敷地外移転を皮切りに、本社事務所の移転や、昨年10月にはアウディ新ショールームを、11月には山口スズキ山口大内店をオープンさせました。今後は、日産の中古車展示場と山口大内店の移転オープンを実施してまいります。

  次の区切りは、2029年(平成41年)の100周年です。常に時代を先取りしながら、今後も挑戦しつづけていきたいと思います。私自身、店舗設計にも携わっていますが、本社の敷地やショールーム等を活かし、車販売だけではなく、来場者の『五感を刺激』する、回遊性のある空間作りを目指し、文化や芸術の情報発信できるような魅力的なモールにしていきたいと思っています。

  現在、芸術家、起業家、地元でがんばっておられる方々を応援したいという思いから、作品等の発表の場を店舗内に設ける計画なので、ご家族、お友達とお気軽にお立ち寄りいただきたいとおもいます。

山口日産自動車株式会社

人財教育に力を入れ、取り組まれているとお聞きしましたが。
 魅力的なお店、会社創りには、人財育成が大切だと思っています。経営者にどんなに先見の明があっても、人が育たなければ企業の持続的成長はありません。私の理想とする社員は、豊かな感性をもった社員です。また訪ねて行きたいと思わせる接客、お客様が日産車の魅力もさることながら、この人から、このお店から車を買いたいと思っていただけるような感性を磨いてほしいと思います。サービスや接客、そうしたものはすべて感性によって磨かれるものです。リスク管理、危機管理にも感性・感度が重要です。当社の人財育成のユニークな点は、感性を高めるための様々な教育を行っていることです。私自身が、国内外の出張、パーティーなどで見聞きし、感動した体験を社員とも共有したいという思いから、ミュージカル・フラメンコ鑑賞やミュージシャンのコンサート、料亭でおもてなしの極意を学んだりと、多様な機会を捉え、人財育成に活用しており、お客さま満足度アップに努めています。

 その結果、全世界1万社の日産販売会社のお客さま満足度の高い40社に贈られる
『GLOBAL NSSWAWARD』を21世紀に入ってから、3年連続受賞しました。
 お客様満足度の向上への取り組みは、まだまだ課題があります。ゴールのないエンドレスなチャレンジです。

山口というまちへの思いは。
 三方を海に囲まれ、豊かな自然に溢れ、風光明媚な山口は、とても暮らしやすい環境にあります。気候も温暖で、釣りやゴルフも楽しめ、子育てやリタイアした団塊世代の方々が生活をするには、最適な場所だと思います。道路整備も進み、海岸線が魅力でもあります。例えば、その海岸線をおしゃれにしてみたらどうでしょう。秋穂の海岸を地中海をイメージして、夕日の見える円形劇場のようなものを作ってみたり、海に隣接した市場もおしゃれにし、バベキューコナーを海岸沿いに設置したり、スペイン小皿料理『タパス』、京都の『おばんざい』を山口県地産の食材で地域でコンテストをしたり。まだまだ色々な分野で、魅力的なエリアになる要素はたくさんあります。将来、道州制に移行しても魅力的な県央部創りは最重要課題でしよう。街中キャンパスの私案もあります。多忙な中央の業界活動を少しづつ卒業し、次世代の皆様のために少しでもお役にたてればと願っています。

[企業概要]
創  業:1929年(昭和4年)4月
資 本 金:4500万円
従業員数:395人
売 上 高:約140億円(2012年3月期)
関連会社:日産部品山口販売株式会社、トータルカーサービス山口株式会社、ネットワークシステムサービス株式会社、山口標板株式会社、山口スズキ株式会社

   山口商工会議所月報

いいもんみつけ隊

株式会社 大内茶園
代表取締役 高津 眞二 氏

山口市大内御堀311−7
TEL・ FAX / 083−923−7002
http://oouchi-cha.com/

株式会社 大内茶園

 椛蜩熬ラでは、西日本一を誇る宇部市小野地区の大茶園の茶農家井上洋二社長(宇部製茶梶jとともに、安心・安全なお茶を製造・販売されています。平成22年3月、自然農法産のお茶が、安心・安全な農産物を認証する制度「エコやまぐち100」に認定。翌年、オリジナル商品『大内茶籠(おおうちちゃりょう)』が、平成23年度山口県特産品振興奨励賞に選ばれました。また、家族への想いが込められた緑茶エキスたっぷりの肌に優しい石鹸を開発。今回は、椛蜩熬ラの津代表取締役を訪ね、こだわりの商品開発について詳しくお話を伺いました。

茶業界一筋で40数年間…退職後に新たな挑戦が始まりました     
 山口高校卒業後、茶類小売業を営む家業を継ぎ、平成11年から8年間社長を務めました。家業は兄弟に譲り、退職後はピースボードで100日間の世界一周旅行へ行くのが長年の夢でしたが、出発が半年先だったということもあり参加を断念。茶業界一筋で40数年間頑張ってきましたので、もう少しお茶に携わる仕事をしたいと思い、その資金等で起業することにしました。

 山口商工会議所主催の起業塾に参加し、もう一度商売の基礎から学びました。参加者は、若い方が多く、とても刺激を受けました。創業してからもネットワークが広がり、今でも交流が続いていますので、参加して本当に良かったと思っています。
平成21年、62歳で「株式会社大内茶園」を創業。より安心・安全な山口県産のお茶の販売を始めました。

お茶の効能はこんなにたくさん!
 お茶成分についての研究が進み、「茶カテキン」には発ガンを押さえる働きがあることが分かったそうです。また、老化の原因となる過酸化脂質を抑えるビタミンC・ビタミンEをお茶は豊富に含み、動脈硬化や狭心症、脳卒中を招くと言われている、悪玉コレステロールを抑える性質をもっています。お茶には抗菌作用があるため、風邪やインフルエンザ予防に、お茶でうがいをされるのもいいかもしれませんね。

西日本一を誇る宇部市小野地区の茶畑は、まるで緑のじゅうたんのようです
 山口県における茶栽培の起源は、今を去る600年余前といわれており、江戸時代に長州藩が振興策を講じ、茶の栽培は県内各地に広く普及し、明治期には「防長茶」の銘柄で全国市場に名を広めました。昭和40年代に本格的な取り組みが始まり、大規模な茶園が造成され、西日本一を誇る宇部市小野地区の大茶園が完成し、現在に至ります。

 ゆるやかな流線を描く茶畑は、まるで緑のじゅうたんのようで、冬に濃い霧が発生する小野地区一帯は、お茶の生育に適した環境といわれています。お茶の値打ちは、「香り、味、色合い」の3つで決まりますが、ひとつの産地で三拍子そろうのは、なかなか難しいといわれています。やまぐち小野茶は、特に味が濃く、芳醇な香りも秀逸です。          

探し求めていた茶葉との出会い
 地産地消にこだわり、より安心・安全な茶葉を使った商品を開発したいと思い、宇部市小野地区の茶農家井上洋二社長(宇部製茶梶jを訪ねました。「自然農法産で化学農薬・化学肥料を使用しないお茶を数年前から生産している」と伺い、ようやく探し求めていた茶葉と出会えました。

安心・安全な「エコやまぐち100」に認定
 当社の自然農法産のお茶は、生産過程において化学農薬・化学肥料を使用せず栽培した安心・安全なお茶です。平成22年3月に、化学農薬・化学肥料を使用しないで栽培された農産物について、県が認定した機関が1年を通して検査を実施し、安心・安全な農産物を認証する制度『エコやまぐち100』の認定を受けました。

「山口県特産品振興奨励賞」受賞!
 平成23年9月、オリジナル商品『大内茶籠(おおうちちゃりょう)』が、平成23年度山口県特産品振興奨励賞に選ばれました。歴史ある大内文化の大内菱をパッケージに取り入れ、同時代より栽培されていた山口県産の茶葉を自然農法で作りました。

 昨年、山口商工会議所より山口ブランド「Re:維新」(再維新)に認定されました。「Re:維新」ブランドとは、明治維新時の「山口魂」を持ち国内外に発信する山口独自の価値のあるモノ、サービスが認定されます。
 山口市内のデパートやスーパー等で販売しており、インターネットでもご購入頂けます。
 
なぜお茶を販売する私が石鹸を作ろうと思ったのか
 この石鹸には、一番身近な存在である家族への想いがありました。私には、2人の娘がおり、年頃ということもあり、洗顔用石鹸にこだわっていました。娘達は、いろいろな石鹸を試していたものの、これが一番というものはなかなか見つからないようでした。娘達が、洗顔石鹸に関心を持っていることを目の当たりにし、「お茶を使用した肌に優しい石鹸を作れないだろうか」と思ったのがきっかけでした。

株式会社 大内茶園

 地元山口県には、600年もの歴史のあるお茶、弱酸性で肌にやさしい湯田温泉があります。こういう地元の素晴らしい素材を利用して、肌に優しい石鹸を作ってみようと決心しました。
 
1年の歳月を経て緑茶エキスたっぷりの肌に優しい石鹸が完成しました!
 こうした想いの中、紆余曲折を経て、完成するまでに1年以上の時間がかかりました。石鹸の色、香り、成分の優しさ・・・悩みに悩んだ1年でした。何度も娘たちに使ってもらい、「ここが悪い、ここをこうして欲しい!」という要望を聞き、商品の改善を繰り返しました。そして、ついに完成した商品を娘たちが使用し、喜んでくれた瞬間は、これまでの努力が報われ、嬉しい気持ちでいっぱいでした。                        
 ヤシの果実から得られる植物性石鹸素地に、湯田温泉の温泉水と緑茶エキスたっぷりのお茶を練り込み、自然素材のハチミツ、カミツネ花エキス等を加えました。カテキンは、活性酸素から肌を守り、ハリのある健康な肌を保ちます。

 男性向けに、消臭効果のあるお茶の成分が多い「大内のおとこまえ石鹸」と、女性用に「大内のおひめさま石鹸」を作りました。現在、商品のリニューアル中で、今後発売する予定です。

お茶文化を後世に伝えたい…
 先日、朝日新聞の『天声人語』に「お茶」の話が取り上げられていました。ペットボトルのお茶しか飲んだことがない若い母親は、「お茶をいれる」という言い方すら知らなかったそうです。あるアンケートでは、今の高校生は日本茶の淹れ方を知らず、冬に飲むお茶を「急須で淹れる」と答えたのは2割しかいなかったとのことでした。市販の飲料は手軽でいいですが、文化や歴史と関わりの深い「お茶」と無縁の子ども達が育つのは寂しいですね。お茶の良さを子ども達にもっと知ってもらい、山口県の茶業界の発展のために尽力していけたらと思っています。