山口商工会議所

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2023.01.01 その他

[2023年頭所感]会頭挨拶『SDGsはオール山口から』

令和5年の新春にあたり、謹んで新年のお慶びを申し上げます。昨年11月1日より3期目に入ったところです。振り返れば2期目の大半がコロナ禍となり、昨年はさらに物価高騰が押し寄せ、荒波にもまれた3年間でした。

商工会議所は全国に515会議所あり、会員総数123万社の日本最大の経済団体です。平成11年の163万社をピークに減少傾向が続いています。日本の雇用の最大の受け皿である中小企業は赤信号が点滅しています。長年、日本の高度経済成長に貢献し、雇用を支えたのが全国358万社の中小企業です。しかしその経営者は今や高齢化が進み、将来が見通せず、後継者もいない、人手も足りない。コロナ禍で事業存続そのものが危ぶまれ、今後の道筋は難航が予測されます。地方都市が抱える共通の課題は『人口減社会』と『少子高齢化社会』にどう向き合うかです。中小企業支援を生業とする商工会議所は、正にその真価が問われています。

さて、ここ山口市においては出生数の低下が進んでおり、今から30年後には人口が約3割減少するという、極めて深刻な予測があります。人口減は消費減に直結し地域経済への影響は測り知れません。山口市は1市5町が合併して誕生し、その面積は約1千㎢と、全国791市の中で21番目の大きさです。山口都市核、小郡都市核という2つの都市核を含む人口集中地域(市内総面積の2.3%)に総人口の約51%が集積し、21の都市拠点と役割分担しつつ、個性ある市街地整備や地域活性化策が進められています。歩いて暮らせる“コンパクトなまちづくり”が結実しつつあり、今後もこの流れを加速したいと思います。

山口商工会議所は旧山口市&小郡町を対象として、中小企業支援と地域振興を推進してきました。会員数は特定商工業者含めて3千社、近年会員数の減少が続きましたが、直近数年は増加しています。コロナ対策が一定の評価を得たとの声を頂きました。市内には2つの商工会があり、山口県央商工会は旧阿知須町、秋穂町、阿東町を、徳地商工会は旧徳地町をその対象としています。コロナ禍で行動制限が続く中、人が密集していない中山間地域を巡ってみた時の事、山口市は広大で、風土の違いを感じました。気温の違い、水の違い、米品種の違い、そして各地に残る伝統文化の違い。里山里海の風景はまさに日本の原風景であり、第一次産業の人の営みは経済に無くてはならないものだと感じました。商工会と商工会議所、お互いに補完しあえる部分が多分にあると思います。今後は両商工会と様々なノウハウの共有、人的交流を進め、持続可能で多様性のある社会を目指してオール山口で中小企業支援に取り組みたいと思います。

6年前に山口商工会議所のスローガンを「継往(けいおう)開来(かいらい)」と致しました。これは“先人の事業を受け継ぎ、発展させながら未来を切り開く”ことを意味しています。3期目に当り、「継往開来」のスローガンの元、「SDGsはオール山口から」を年度方針とし、市内全域で経済循環を推進します。各地域の個性を重んじシビックプライドの醸成に努め、誇りを持って山口に住み続ける事が出来る社会、そんな社会の実現を目指して本年も前に向かって進みたいと思います。

株式相場には『卯は跳ねる』という格言があります。23年は卯年。兎には跳ねる特徴があるため、景気が上向きに跳ねる、回復すると言われており、縁起の良い年として知られています。3年に渡るコロナ禍を抜け出し、いざ、躍進の年にしたいものです。オール山口で地歩を固め、両都市核のコンパクトシティを推進し、商工会との連携を通じてポストコロナの新時代を創り上げていく。今年はこの大きな課題に取り組む一年になると思いますが、どうぞ宜しくお願いします。

会員皆様の事業のご繁栄とご多幸を祈念いたしまして、新年のあいさつとさせて頂きます。

山口商工会議所  会頭 河野康志

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